あなたに合った入れ歯を見つける方法

ある日突然歯医者さんから、この歯はもう無理だから、抜いて入れ歯ですね?っと言われた経験がある方、結構いらっしゃるのではないでしょうか?
入れ歯と聞くと、噛めない、痛い、見栄えが悪い、老人が入れる物等、あまり良いイメージはないと聞きます。
私は、入れ歯は入れ歯で、原則をキチッと守れば、天然歯やインプラントにはかないませんが、結構噛める治療方法だと思っています。
ただし、患者さんのQOL、骨格(噛む力が強い顎の形なのか等)、お口の中の状態(入れ歯になる箇所等)により、向き不向きはあると思っています。

それでは、ご自分がもし入れ歯にするなら、どの様な物が向いているのかを判断する方法をお教えします。

まず入れ歯には、クラスプ(バネ)と呼ばれる入れ歯を歯に固定する金属製の物が必要です(最近はノンクラスプ義歯として、金属で無い物もあります)。入れ歯は、このクラスプと人工の歯、そして歯茎に乗っかる床(しょう)と言う部分で構成されています。入れ歯の歯の数が3〜4歯を越えたり、左右に跨がる場合には、バーと呼ばれる金属で左右を繋げる事も必要になります。

これが入れ歯の基本構造ですが、どこに入れ歯が入るかで、ある程度決められるかと思います。

1.中間欠損

1番奥の歯が残っていて、その手間の歯が1〜2本、或いは前歯が1〜2本無い場合。
これはクラスプ2本と人工の歯、床で、かなり安定した入れ歯が作れると思います。保険でも作る事が可能です。壊れ難く強度を増した方法なら骨組みを金属で作る金属床義歯(保険外)、見栄えを良くするならノンクラスプ義歯(保険外)も可能です。

2.遊離端欠損

1番奥歯を含んで、数本の歯が無い場合

この場合は原則的にはクラスプ3本以上(顎の形や噛む力によっては2本でも可能)で、歯が無い側の反対側まで入れ歯のクラスプ(バネ)が必要になります。例えとして、カメラの三脚がわかりやすいかもしれないですね。

三脚はとても安定しますが、二脚や一脚はとても不安定ですよね?これと同じです。入れ歯もクラスプ(バネ)が3本以上必要なので、1番奥の歯を含んで2本の歯が無かった場合でも、クラスプ(バネ)は反対側(歯が無いのが右なら左側)まで必要になるケースが多いです。つまり入れ歯が大型化すると言うことです。

このようなケースの場合には、動かない入れ歯を選択する必要があります。入れ歯は大型になればなる程動きやすくなり、動いた結果、歯茎の色々な部分に当たって痛みとして出るからです。

動かない入れ歯には、クラスプ(バネ)を使うタイプ、被せ物をバネ代わりするコーヌス義歯、被せ物に特殊な溝を付けるミリング義歯等、種類があります。


以上をまとめると、1番奥歯がある場合の1〜2歯の入れ歯、前歯の入れ歯は見た目を考慮しなければ痛みは少なく安定します。

1番奥歯が無い1〜2歯の入れ歯は、歯が無い歯茎の形(土手)が鞍のようにこんもりしている形で、尚且つエラが張ってなければ、片側だけのバネ(クラスプ)でも、痛みも少なく安定する可能性が高いです。しかしながら、土手の形が土手が低く、平坦に近い場合は、どの様な設計をしても動くので、痛みがでて安定しない可能性が高いです。

1番奥歯が無い1〜2歯の入れ歯で、土手が低い場合は、片側、両側の歯が無いにかかわらず、コーヌスやミリング義歯にしないと、痛みが出にくい安定して噛める入れ歯は難しいです。

どの様な状態にせよ、担当歯科医師と良く話し合う事が大切です。


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