こんにちは。東京都港区「虎ノ門駅」より徒歩30秒にある歯医者「まさいデンタルクリニック」です。
「入れ歯をつけたとき、痛みを感じる原因は何?」「入れ歯で痛いと感じたら、どうしたらいいの?」と疑問を持っている患者さまもいるでしょう。新しい入れ歯を装着したとき、食事や会話のたびにズキッとした痛みが走ると不安が増します。
痛みを放置すると、歯ぐきの炎症や噛み合わせの不具合を招く恐れもあるため、適切に対応する必要があります。
本記事では、入れ歯が痛く感じる原因を解説し、痛みを放置したときのリスクや歯科医院で行う処置についてわかりやすくご紹介します。すぐに歯科医院へ行けない場合に役立つ応急処置や、長期的なトラブルを防ぐセルフケアのポイントまでまとめました。
入れ歯をつけたときに痛いと感じる主な原因

入れ歯をつけたときに痛いと感じる主な原因は、以下のとおりです。
適合不良
入れ歯の形状やサイズが口内にぴったり合っていないと、わずかなずれでも歯ぐきに圧力が集中しやすくなります。特に、硬い樹脂部分が粘膜にあたると、こすれて傷になることもあります。
部分入れ歯の場合は、金属のクラスプが残存歯に強く当たり、痛みや歯のぐらつきにつながるケースも少なくありません。装着後に違和感が続くなら、歯科医院で再調整を検討しましょう。
粘膜の炎症や傷
入れ歯と粘膜が頻繁にこすれると、小さな傷や潰瘍ができて口内炎の原因になります。新しい入れ歯では、歯ぐきがまだ慣れておらず、装着直後に刺激を感じやすいです。
経年使用による入れ歯の摩耗や歯ぐきの退縮でも適合が悪化し、同様のトラブルを招きやすくなります。痛みを放置すると炎症が慢性化し、治りにくくなるため、早めの対処が大切です。
かみ合わせのずれ
上下の入れ歯や天然歯との咬合バランスが崩れていると、特定の部位に過度な力がかかり、痛みが生じます。硬いものを噛んだ際に違和感が強まる場合は、咬合面の調整不足が考えられます。
かみ合わせがずれると、顎関節や周囲の筋肉にも負担が及び、顎の重だるさや肩こり、頭痛といった全身症状を引き起こすことがあります。
入れ歯の吸着が不安定
総入れ歯は歯ぐき全体に吸着させる構造ですが、下顎は上顎に比べて面積が狭く、安定しにくいです。唾液量の減少や歯ぐきの形状変化で吸着力が落ちると、入れ歯が動いて粘膜に刺激を与え、痛みに変わります。
舌の動きや会話でずれやすくなるため、うがいで口内を潤したり、入れ歯専用の安定剤で吸着性をサポートしたりしましょう。
口内環境の変化
加齢や全身疾患、薬剤の副作用などで歯ぐきの厚みや硬さが変化すると、それまで合っていた入れ歯でも痛みを感じるようになります。また、口内の乾燥や歯周病の進行が粘膜を弱らせ、軽い圧迫でも痛みを感じやすくなるでしょう。
入れ歯を外しても痛みが続く場合は、口腔がんや神経痛など他の疾患の可能性もあるため、歯科医院での精密検査を検討してください。
入れ歯装着時の痛みを放置するリスク

入れ歯装着時の痛みを放置するリスクは、以下のとおりです。
粘膜炎症の進行
入れ歯の縁や底部が歯ぐきに繰り返し強く当たると、粘膜に慢性的な刺激が加わり、初期の赤みや腫れから潰瘍やただれに進行します。傷口は細菌感染を招きやすく、口内炎が慢性化すると治癒に時間がかかるだけでなく、頬粘膜や顎下部まで炎症が拡大することがあります。
食事と発音がしにくくなる
痛みがあるまま入れ歯を使用すると、硬い食材を避けるようになり、咀嚼できる食品が制限されます。栄養バランスが偏ると、体力低下や免疫力の低下につながり、高齢の患者さまでは誤嚥性肺炎などのリスクが増大します。
また、入れ歯がずれることで発音が不明瞭になり、人前で話すことに消極的になるケースもあります。これにより、社会的・心理的ストレスが蓄積し、QOL(生活の質)が大きく損なわれます。
全身に影響が起きる
咬合のバランスが崩れた状態で入れ歯を使い続けると、特定部位に過度な力が集中し、顎関節や咀嚼筋に負担をかけます。これが長期化すると、顎関節症や顔面の筋緊張を引き起こし、顎の開閉時の異音や痛み、さらには頭痛や肩こりといった全身症状を伴うようになるでしょう。
噛む際に不均等な圧力が内臓にも影響し、消化不良や栄養吸収の低下を招く恐れがあります。
入れ歯自体の劣化・破損リスク
痛みを我慢して入れ歯を使い続けると、歯ぐきの形状変化に合わせた調整が行われず、本来の適合状態が悪化します。その結果、人工歯の摩耗やフレームの変形が進み、ひび割れや欠損といった破損が起こりやすくなります。
破損時には修理や再製作のための通院回数や費用負担が増え、患者さまの時間的・経済的負担が大きくなります。さらに、部分入れ歯ではバネがかかる天然歯への負担が増大し、歯の動揺や歯周病悪化の原因にもなります。
口内疾患の見落とし
入れ歯装着時の痛みが続く場合、単なる適合不良以外に、口腔がんや神経痛、歯根膜炎など重篤な疾患が潜んでいる可能性があります。炎症性病変や腫瘍の早期発見が遅れることで、治療が難しくなるリスクがあります。
定期的に歯科医院で精密検査を受け、異常があれば速やかに対応することが重要です。
痛みがあるときに自宅でできる応急処置とセルフケア

痛みがあるときに自宅でできる応急処置とセルフケアは、以下のとおりです。
入れ歯を外して安静に保つ
痛みが強いときは、無理に装着せずに入れ歯を一定時間外して口内を休ませましょう。炎症部位への負担を減らすことで、症状の悪化を防げます。
ただし、長時間外しすぎると入れ歯が合わなくなる恐れがあるため、外す頻度や時間は歯科医院で相談のうえ調整してください。食事はやわらかいおかゆやスープなど、刺激が少ないものを選ぶと負担を抑えられます。
入れ歯安定剤の一時的な活用
入れ歯がずれて痛む場合、市販の入れ歯安定剤でクッション効果を得られます。安定剤が隙間を埋め、摩擦を軽減して違和感を和らげるため、装着時の痛みが緩和します。
ただし、これはあくまで応急処置です。根本的には入れ歯の再調整が必要ですので、症状が続くときは歯科医院で適合を確認してもらいましょう。
清潔な口腔ケアで炎症予防
入れ歯と歯ぐきの接触面に汚れや細菌が残ると、口内炎や粘膜炎を招きやすくなります。毎日、ぬるま湯と専用ブラシで優しく洗浄し、就寝前には洗浄液に浸けて清潔を保ちましょう。
また、歯ぐきや舌は柔らかいブラシでマッサージすると血行が促進され、炎症の予防につながります。
鎮痛薬の利用
痛みが強い場合は、我慢せずに適量の市販鎮痛薬を服用するのも有効です。服用前に必ず添付文書を確認し、持病や薬の相互作用に注意してください。
痛みがあるときに歯科医院で行うこと

痛みがあるときに歯科医院で行うことは、以下のとおりです。
入れ歯を細かく調整
歯科医院では、入れ歯が当たって痛む箇所を細かく確認し、わずかな圧迫を解消するための調整を行います。専門の道具で縁や底面を削り、歯ぐきへの負担を軽減すれば、装着時の違和感や痛みが劇的に改善されることが多いです。
加えて、上下のかみ合わせをチェックし、不均等な力がかかる部分を整えることで、顎関節や筋肉へのストレスも和らげます。痛みが軽いうちに適切な調整を受けると、その後のトラブル予防にもつながります。
入れ歯の再製作・リライン検討
長期間使用している入れ歯は、歯ぐきの形状変化や素材の摩耗で適合が悪くなることがあります。調整だけでは改善が難しいほど痛みが慢性化している場合は、入れ歯のリライン(裏打ち)や修理では対応できないこともあります。
その際は、新たに歯型を取り直し、より口内にフィットする入れ歯を再製作する選択肢を提案されるでしょう。再製作により、摩耗部の補強やかみ合わせの精度向上が期待できます。
定期検診による早期トラブル発見
入れ歯を快適に使い続けるには、定期的な歯科医院の受診が欠かせません。歯科医師から指示された期間ごとに調整状態や歯ぐきの健康をチェックし、わずかなズレや炎症の兆候を早期に把握します。
問題が小さいうちに手を打つことで、大がかりな修理や再製作を回避でき、患者さまの通院負担や費用も抑えられます。また、口内全体の健康管理にもつながるため、定期検診は痛み予防に欠かせません。
まとめ

入れ歯の痛みは、適合不良やかみ合わせのずれ、粘膜への刺激など多様な原因で起こります。放置すると炎症悪化や全身症状を招くため、一時的な入れ歯安定剤の活用や鎮痛薬の利用など自宅での応急処置に加え、歯科クリニックでの早期調整や再製作を検討してください。
入れ歯の痛みは我慢せずに早期に対応することが大切です。丁寧なセルフケアと定期検診で痛みの再発を防ぎ、快適な装着感を取り戻しましょう。
入れ歯を検討されている方は、東京都港区「虎ノ門駅」より徒歩30秒にある歯医者「まさいデンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。
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