奥歯の治療にセラミックを選択するメリットとデメリット、素材を解説
こんにちは。東京都港区「虎ノ門駅」より徒歩30秒にある歯医者「まさいデンタルクリニック」です。

奥歯の治療では、見た目よりも強度や噛み合わせが重視される傾向がありますが、近年では機能性だけでなく見た目にも優れたセラミックを選ぶ方も増えています。銀歯に比べて自然な見た目で、金属アレルギーの心配も少ないセラミックは非常に魅力的な選択肢です。
一方で、費用面や割れやすさといった懸念点もあり、慎重な判断が必要です。
この記事では、奥歯の治療におけるセラミックのメリット・デメリットや、素材ごとの特徴についてわかりやすく解説します。
奥歯の治療にセラミックを選択するメリット

奥歯の治療において、セラミック素材を選ぶことにはさまざまなメリットがあります。かつては前歯の審美性を重視した治療に用いられることが多かったセラミックですが、近年では強度や耐久性が向上し奥歯にも適用される機会が増えています。
自然な見た目を再現できる
セラミックは、天然歯に近い透明感や色調を持っており、治療後も自然な口元を保つことができます。特に、笑ったときに奥歯が見える方にとって、見た目の自然さは大きな魅力です。
銀歯のように金属の光沢がないため、治療箇所が目立ちにくく、日常生活でも気にならない点が支持されています。
金属アレルギーのリスクがない
金属を使用しないセラミックは、金属アレルギーの心配がないことも大きなメリットです。銀歯などに使用される金属は、長年の使用により体内に微量な金属が蓄積され、アレルギー反応を引き起こす場合があります。
セラミックであれば健康への影響を避けることができ、安心して長期的に使用できます。
黒ずみの心配が少ない
金属の被せ物は、時間が経過するにつれて歯ぐきの境目が黒ずんで見えることがあります。金属イオンが歯肉に沈着することが原因ですが、セラミックの場合はそのような変色が起こりにくく長く美しい見た目を維持しやすいです。
汚れや細菌がつきにくい
セラミックの表面は滑らかで、プラークや汚れが付着しにくいという特性があります。そのため、口腔内を清潔に保ちやすく、虫歯や歯周病のリスクも低減されます。
特に、奥歯はブラッシングしにくいため、衛生的な状態を保ちやすい素材を選ぶことは非常に重要です。
長期的に安定した噛み合わせを保てる
セラミックは強度に優れており、長期間にわたり噛み合わせのバランスを保つことが可能です。特に、ジルコニアなどの素材を使用すれば、奥歯にかかる強い力にも耐えやすく、破損のリスクも抑えられます。
金属のような異物感が少ない
金属の被せ物では、装着時に違和感や冷たさが生じることがありますが、セラミックはそうした不快感が少ないとされています。熱の伝導性が低く、飲食時にも温度の影響を受けにくいため、快適な使用感を得やすいでしょう。
奥歯の治療にセラミックを選択するデメリット

奥歯の治療においてセラミック素材を選択することには、デメリットも存在します。以下に、セラミック治療の主なデメリットとその対策について解説します。
自由診療のため費用が高額になる
セラミック治療は保険適用外の自由診療となるため、費用が高額になる傾向があります。一般的に、1本あたり10万円から15万円程度が相場とされており、複数の歯を治療する場合は負担が大きいでしょう。
費用の負担を軽減するためには、事前に治療費の見積もりを取り、分割払いや医療ローンの利用を検討することが有効です。また、費用と効果のバランスを考慮し、必要な部位のみセラミックを選択する方法もあります。
強い力が加わると割れる可能性がある
セラミックは硬くて耐久性に優れていますが、金属に比べると脆く、強い衝撃や圧力が加わると割れる可能性があります。特に、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、セラミックの破損リスクが高まります。
歯を削る量が多くなる
セラミックの被せ物は一定の厚みが必要なため、金属製の被せ物に比べて歯を多く削る必要があります。特に、神経に近い部分まで削ることになると、治療後に歯がしみたり、痛みを感じる可能性があります。
神経を抜く必要が生じる場合がある
歯を大きく削ることで、歯の神経に近づきすぎると、神経を抜く必要が生じる場合があります。神経を抜いた歯は栄養供給が途絶えるためもろくなりやすく、将来的に破折のリスクが高まります。
セラミックにも寿命がある
セラミックは耐久性が高い素材ですが、永久に使用できるわけではありません。一般的に、セラミックの被せ物の寿命は10年から15年程度とされています。使用状況や口腔内の環境によっては、これより短くなることもあります。
寿命を延ばすためには、日々の丁寧な歯磨きや定期的な歯科検診が不可欠です。
調整が難しい場合がある
セラミックの被せ物は、天然の歯と同様の色合いや形状を再現することが可能ですが、噛み合わせや色合いの調整が難しい場合があります。特に、噛み合わせが合わないと、違和感や痛みを感じることがあります。
また、色合いが周囲の歯と合わないと、見た目に違和感を覚えることもあります。これらの問題を防ぐためには、治療前に歯科医師と十分なカウンセリングを行い、仮歯を装着して噛み合わせや色合いを確認することが重要です。
奥歯に使用されるセラミックの素材

奥歯の治療においては、見た目の自然さだけでなく、強度や耐久性といった機能面も重視されます。そのため、使用されるセラミック素材もさまざまな種類があります。
ここでは、奥歯に使用される主なセラミック素材について解説します。
ハイブリッドセラミック
ハイブリッドセラミックは、セラミックと歯科用プラスチック(レジン)を混ぜ合わせた素材で、やや柔らかく、噛み合わせる歯に負担をかけにくいのが特徴です。費用が抑えられているため、経済的な選択肢としても注目されています。
ただし、長期使用により変色や摩耗が起こりやすく、他のセラミックに比べて耐久性では劣る面があります。
オールセラミック
オールセラミックは、金属を一切使用せず、すべてがセラミックで作られている素材です。自然な透明感と色合いを再現できるため、審美性に優れています。金属アレルギーの心配がない点も大きなメリットです。
一方で、素材が硬く割れやすいため、強い咬合圧がかかる部位には慎重な判断が必要です。
ジルコニア
ジルコニアは、人工ダイヤモンドにも使われる素材で、非常に高い強度を持っています。そのため、強く噛みしめる奥歯でも使用可能で、破損しにくいのが大きな魅力です。金属を含まないため、生体親和性も高く安心して使用できます。
ただし、審美性においては透明感がやや劣ることがあり、前歯には不向きとされるケースもあります。
e-max(イーマックス)
e-maxは、二ケイ酸リチウムガラスセラミックを使用した素材で、見た目の美しさと一定の強度を兼ね備えています。透明感が高く、天然歯と非常になじみやすいため、審美性を重視する方に選ばれています。
ただし、ジルコニアほどの耐久性はないため、強い力がかかる部分への使用は症例を見ながら慎重に判断されます。
メタルボンド
メタルボンドは、内側に金属のフレームを持ち、その外側をセラミックで覆った構造の素材です。長年にわたり多くの歯科治療で使用されてきた実績があり、強度と安定性に優れています。
金属を使用しているため咬合力の強い部位でも安心して使えますが、金属アレルギーのリスクがあります。歯ぐきとの境目が黒ずんで見える可能性がある点には注意が必要です。
奥歯をセラミックにする場合にはいくらかかる?

奥歯の治療に使用されるセラミック素材の費用を確認しましょう。
- ハイブリッドセラミック:5~11万円
- オールセラミック:8~14万円
- ジルコニア:9~16万円
- e-max:7~13万円
- メタルボンド:11~14万円
費用は歯科医院によって異なるため、カウンセリングや見積もりの際に詳細を確認することが大切です。
まとめ

奥歯の治療にセラミックを選ぶことには、見た目の自然さや金属アレルギーの回避、プラークが付きにくい清潔性など多くのメリットがあります。自由診療のため費用が高額になることや、素材によっては破損リスクや削る量が多くなるといったデメリットも存在します。
使用されるセラミック素材には、ジルコニアやe-max、オールセラミック、メタルボンドなどがあり、それぞれ強度や審美性、費用が異なります。自分に合った素材を選ぶためには、口腔内の状態や目的をふまえ、歯科医師と十分に相談することが重要です。
セラミック治療を検討されている方は、東京都港区「虎ノ門駅」より徒歩30秒にある歯医者「まさいデンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。
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