インプラントの手術を受ける前に知っておきたい8つの事

インプラント治療は外科を伴う治療なので、勇気のいる治療だと思います。
そこで、この治療を受ける前に知っておいて頂きたい事をお教えします。

1.CTを完備していて、必要に応じて撮影して説明してくれるか

今はCTという3次元的な分析でなければ人体の詳細な状態は把握出来ません。ですから、CTを完備しているクリニックでなければ、すぐに撮影して分析する事が出来ないからです。
またCTデータはDICOMというフォーマットのデータなため、インプラントシュミレーションソフトを使った分析にも活用出来、その結果として、サージガイドという手術に使用するインプラントを埋める詳細な位置を決める器具を作る事も可能になります。
まだまだCTを完備している歯科医院は全国67000医院のうちのたった2%しかありません。

2.手術のリスクをしっかり説明してくれるか?

手術にはメリット、デメリットがつきものです。メスを入れる外科治療である限りは、そのメリット、デメリットについてしっかり説明してくれる医院を選ぶべきです。

3.手術に麻酔専門医の立ち会いがあるか

インプラント治療は手術です。手術であるからには、麻酔は麻酔専門医が全身状態と共に管理し、担当歯科医師は手術に専念する事が間違いなく良い結果に繋がります。健康な方でも、麻酔を使った長い処置になると、潜在的に不正脈をもっていた方や、問診だけではわからなかった血圧コントロールが出来ていなかった方等、手術が始まってから全身状態の変動が起こってからでは、手術を担当する歯科医師は手術に集中する事が出来ません。ですから全身管理の出来る麻酔専門医が手術に立ち会う事が重要になるのです。

4.侵襲の少ない術式で手術を行なってくれるか?

同じインプラント手術でも、切開の仕方、インプラント体を埋める穴の開け方、骨が少ない場合の骨を作る術式等が、全て低侵襲であれば、術後の腫れや痛みも最小限で済みます。誰も腫れたり痛くなったりしたくないですよね?その為には、可能な限りの低侵襲な術式の手術が必要なのです。歯科医師の説明だけでは判断し難い事もあると思います。簡単に言うと、手術を担当する歯科医師がどれだけ勉強しているか、またどれだけ器用なのか?見分けるポイントとしては、ホームページに学んで来た講習会のデータをしっかり出しているかもポイントです。もう一つのポイント、いかに器用であるか。お口の中の手術は実に繊細です。ですから、術式に加えて、どれだけ器用なのかも重要なポイントです。器用であれば、縫合も綺麗ですから、自ずと歯肉の治りも綺麗です。簡単な見分け方は指です。担当歯科医師の指が繊細で綺麗かです。お口の中という狭いエリアで、無骨な指では細かな処置はし難い事は想像に難しくないでしょう。私が出会って来た手術が綺麗で術後の歯肉も美しい状態に仕上げるドクターは、全員指が繊細で綺麗です。文字が綺麗な点も見分けるポイントですね!

5.どんな質問にも的確に面倒臭がらずに対応してくれるか

わからなかったことや、不安な事に関する質問にも、面倒臭さがらず、納得出来るように説明してくれる歯科医師は、間違いなく手術に自信を持っています。また逆に、質問に対して面倒臭さそうに答える歯科医師は、インプラントを入れる事だけを考えている方が多いです。
手術に自信があるドクターは、最終的に歯が入った状態がいかに美しく出来るかをゴールにしているので、どんな質問に対しても自信をもって答える事が出来ます。面倒臭さがらずに、もっと聞いて下さい!っと思っているはずです。何故なら手術に自信があるドクターは手術や噛み合わせ治療が好きなので、色々な事を教えたいからです。

6.治療費の支払い方法を幾つも提案出来る先生か?

インプラント治療はとても高額な治療です。
支払い方法が術前に一括だけのクリニックは、半年程時間のかかる治療には不安が残ります。
患者の希望に応じた支払い方法に対応してくれるクリニック(支払いがインプラントの手術までの費用、その後は最終的な被せ物の費用に分けてくれる、デンタルローン等)は患者さんサイドに立ってくれるので、手術に自信があるドクターだと言えると思います。

7.クリニックの設備が最新であるか?

どんなに腕の良いドクターだとしても、使う機械、器具には左右されます。逆を言えば、腕の良いドクターは、優れた最新鋭の機械、器具を持っています。
簡単な見分け方は、

1)CTがある
2)インプラント専用のドリル器具がある
3)器具を消毒する滅菌器が世界最高基準のクラスBである
4)インプラントをシュミレーションするソフトを使っている
5)オペ室を完備し、そのオペ室には空気を綺麗にする専用の空気清浄機を備えている(クリーンエリア等)
6)超音波切削器具を備えている(ピエゾサージェリー等)

一昔前までは、骨を削るのはドリルでした。なので、ドリルの直径プラスアルファの骨が無駄に削られる結果になりました。しかしながら、今は超音波切削器具があります。厚さ1ミリ程度の器具で、正確に綺麗な形を作れるようになりました。この超音波切削器具は、インプラント治療には無くてはならない機械です。

8.最終的に被せ物を入れる際に重要な噛み合わせの事を熟知しているか?

どんなに素晴らしい手術が出来たとしても、最終的な被せ物の噛み合わせがわかっていなければインプラントが長持ちしなかったり、身体の不調を訴えたりする可能性があります。見分けるポイントとしては、日本顎咬合学会の「噛み合わせ認定医」であるかないかも重要です。

まとめ

上記が手術前に知っておいて頂きたいことです。

インプラント治療は、どんな歯科医師でも2日程度の講習を受ければ始める事は可能です。
患者さんからみれば、ドクターを選ぶのはとても難しい事だと思います。

私はインプラント治療を1996年に開始し、その前に歯周病の手術を多く行なってきており、メスを入れてどう治っていくかを熟知した上でインプラント治療を始めました。
しかし、インプラントの経験が長いから優れたドクターとは限りません。やはり、どれだけ勉強して来たか、どれだけ美しい結果を出しているかをホームページで確認したり、実際にクリニックに行って確認する事が重要だと思います。
優れたドクターの手術のインプラント、噛み合わせが解っているドクターならば、年に数回のメンテナンスを受けている限り、一生涯保つと思います(上物である被せ物の摩耗や劣化での再治療はありますが)


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